突然ですが、コーチングを知らない人に「コーチングとは?」を説明するのって難しくないですか?
そんな方に向けて「この記事さえ読めば、コーチングについて理解が深まり、どんなことをするのかイメージができる」という内容を魂込めて執筆しました。

コーチングの説明に困ったら、ぜひこの記事を使ってください!
コーチングを一言で説明すると?

コーチングを一言で説明すると「対話を通して、自己実現の支援をすること」だと思っています。

わかるようでわからん!
「百聞は一見に如かず」なので、実際に体験してみるのが早いのですが、体験するまでにある程度の理解は深めておきたいですよね。
そこで、まずはコーチングの定義から解説していきたいと思います。
コーチングの定義とは
コーチング業界のなかで、最も権威性のある組織は国際コーチング連盟(ICF)です。
そんな、国際コーチング連盟の定義をご紹介していきますね。

ちなみに、ICFは1995年に設立されたそうです!

コーチングってそんな前からあったんだ…!
ICF defines coaching as partnering with clients in a thought-provoking and creative process that inspires them to maximize their personal and professional potential. The process of coaching often unlocks previously untapped sources of imagination, productivity and leadership.
引用元:https://coachingfederation.org/about

英語だとわかんないよ!!
コーチングとは、思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くことである
和訳(ICF Japan参照)http://icfjapan.com/coaching

だいぶ、イメージしやすくなった感じがするね!

ひとことで言うと「対話を通して、自己実現の支援をすること」だと思っています!
分解していくと、下記のイメージです。

- 誰が:コーチとクライアントが
- 何を:対話を通して
- どうする:クライアント自身の可能性を最大化させる

なるほど!だいぶ理解が進んだ気がする…!
ここまでの説明で終わりにしても良いかなと思ったのですが、コーチングの説明文は各社によっても微妙にニュアンスが変わるので、各社の表現も紹介していきたいなと思います。

色んな視点からみると、より理解が深まると思います!
コーチングの説明を各社の表現で比較する
- コーチ・エィ
- CTIジャパン
- 日本コーチ協会
- 日本コーチ連盟
- ZaPASS
- THE COACH
- mento
- cotree
- 銀座コーチングスクール
今回は上記の会社・組織のHPからコーチングの定義を抜粋してきました。
本質的には同じなのですが、人によって「この表現方法がしっくりくる」というのは変わると思います。

色んな視点から捉えることでコーチングへの理解をより深めていただければ幸いです!
コーチ・エィの表現
コーチ・エィでは、コーチングを「目標達成に必要な知識、スキル、ツールが何であるかを棚卸しし、それをテーラーメイド(個別対応)で備えさせるプロセスである」と定義しています。つまり、コーチングとは自発的行動を促進するコミュニケーションのことをいいます。
引用元:https://coachacademia.com/coaching/

「自発的行動を促進するコミュニケーション」というのが印象的ですね。

目標達成のための行動を重視してる感じだね!
CTIジャパンの表現
話し手(以下、クライアント)自身に焦点を当てて関わるコミュニケーションであり、その目的はクライアントの気づきから生まれる意識と行動の変化を促すことです。
引用元:https://www.thecoaches.co.jp/coaching/

「クライアントの気づきから生まれる意識と行動の変化を促すこと」というのがポイントかなと。

CTIは行動だけでなく意識の変化にも着目しているんだね!
日本コーチ協会の表現
プロフェッショナル・コーチングとは、コーチとしての専門的なトレーニングを受けたコーチとクライアントと呼ばれる個人(またはチーム)が目標を設定し、成果を達成していくためのパートナーシップです。
クライアントとコーチは会話を通じてコミュニケーションを交わします。コーチは聞き、観察し、質問し、時には提案することによって、クライアントの行動をより起こしやすくしていきます。
引用元:https://coach.or.jp/coaching/

目標を達成していくためのパートナーシップか〜!

パートナーシップという表現がコーチングっぽいですよね。
一般社団法人日本コーチ連盟(JCF)
コーチングとは、本人特有の感情や思考のはたらきを行動の力に変えることで目標達成や自己実現を促す、コミュニケーション技術です。
引用元:https://www.coachfederation.jp/ca/coaching/

「コミュニケーション技術」というのは初めて出てくる表現だね!

個人的には「感情や思考のはたらきを行動の力に変える」というのが、しっくりきました!
ZaPASSの表現
直接的な表現はありませんでしたが、ZaPASSのCHROでもある垂水コーチの言葉から抜粋しました。
コーチングとは「『質問』ではなく『問い』を『二人の間』に置き、クライアントとコーチで『一緒に探索』しながら、クライアントの『発見』を促していくもの」とあるんですが、こちらがまさにだなと思っております。
(中略)
以前の定義のように、コーチングを「相手の中にある答えを、質問によって引き出すもの」としてしまうと、コーチとクライアントの役割が二極化されて、セッションで使えるものがクライアントのリソースに限られてしまいますよね。
コーチングとは、コーチとクライアント両方のリソースを最大限活用したコラボレーションの中で起きるものだと考えています。
引用元:https://zapass.co/being/event/mycoach1/

「質問」ではなく「問い」ってところが面白いね!

コーチとクライアントというと、どうしても一方通行な関係を想起してしまいますが、そうではなく一緒に探索するような双方向な関係なんですね。
THE COACHの表現
コーチングとは、クライアントの仕事や人生を充実させるために、対話を通じて気付きや行動を促すプロセスです。
引用元:https://journey.thecoach.jp/n/ned76931ae1a9

シンプルでわかりやすいね!

「対話を通じて気付きや行動を促すプロセス」という表現に凝縮されてますね!
mentoの表現


明確な文章はありませんでしたが、上記の画像を用いてコーチングとはどんなものかを説明されてます。

ステップでみるとイメージしやすいね!!
cotreeの表現
こちらもHPに直接的な記載が見つからなかったので、代表の櫻本さんのインタビューから抜粋させていただきます。
コーチングというのは、主に行動変容を通じて、成長、自己変容といった未来に向かって高みを目指していくような関わりとなります。
引用元:https://sakumaga.sakura.ad.jp/entry/2020/12/01/120000

「未来に向かって高みを目指していくような関わり」って良い言葉だね!

カウンセリングとの違いを表してる文章でもあるなと思います!
銀座コーチングスクールの表現
パフォーマンス向上のために、対話によって対象者を勇気づけ、”気づき”を引き出し、”自発的行動”を促すコミュニケーション・スキル。
引用元:https://www.ginza-coach.com/basic/knowledge/

「気づき」と「自発的行動」がキーワードなんだね!

「自発的に」というのがコーチングのポイントですよね。
コーチングの具体例を図解してみる
ここからは、コーチングの事例を図解しながら理解を深めていけたらと思います。
コーチングの活用パターンは色々あるのですが、代表的な例を2つあげて図解してみますね。
GROWモデルを用いたパターン

GROWモデルとはコーチングで使用される質問のフレームワークで、下記の頭文字をとって”GROW”モデルと呼ばれています。
- Goal=目標
- Resource=現状
- Option=選択肢
- Will=意志

理想と現実のギャップを埋めるための行動を自発的に思考していく感じです!

実際にどんな質問によって進んでいくのか気になる!


これは、かなり簡素化してるので実際の通りではないんですが、イメージしやすいと思います!
簡単に解説すると、
- 目標を確認する
- 現状を把握する
- 目標に対して出来る選択肢を洗い出す
- 次の行動を決める
という流れですね。

たしかに、これに沿って考えていけば、次の行動が決まりそうだね!
このような問いによって行動変容を促すコーチングが一般的なのですが、コーチングは決まった型があるわけではないので、その時の”流れ”によって自在に変化していくものです。
次は、別のパターンでもみていきましょう。
おうむ返しでオートクライン効果が発揮されるパターン
オートクライン効果とは「自分で話すことにより、思考が整理され、新たな気づきを得る」ことです。

たしかに、友達に相談するときとか、自分が一方的に話してそれでスッキリすることってあるもんね!
コーチングのポイントである「自発的に」というのが、このオートクライン効果の肝なんですよね。
「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、自分で得た気づきや学びというのは、他人の受け売りと違って確信度が明らかに変わります。


さっきと同じテーマなのに、結論が変わってるね!

分岐点としては冒頭の「書けてなくて…」という部分ですね。ここで、コーチがグッと間をとって傾聴に徹したことで、その後クライアントから「重たくて…」という感情面が引き出されてます。
コーチングにおいて「間があく」というのは「思考が発酵する時間」として、とても重要な時間です。
なので、矢継ぎ早に質問を投げるのではなく、クライアントの感情に寄り添い傾聴することが必要になります。
今回の場合だと、クライアントの感情面を深堀りしていったことで、これまでにないインサイトをクライアントは獲得されています。
このように、クライアントが自ら話す言葉をコーチが適切におうむ返ししていくことで、オートクライン効果が発揮されて思考がクリアになるパターンもあります。

コーチングって一言でいっても色んなパターンがあるんだね!

だいぶ理解が深まったんだけど、実際の雰囲気をみてみたいかも!
コーチングの雰囲気を動画で感じてみる
ここでは、実際にコーチングがどんな雰囲気でおこなわれているのかイメージを膨らますために、参考になる動画を紹介させていただきます。

コーチングに関する動画は他にもたくさんありますが、この2つが特にコーチングの雰囲気を感じれる動画かと思います。
ナンバーツー林さん
これはコーチングセッションを再現したフィクションですが、非常にリアルなセッションだと思います。
ちなみに、コーチの林さんは国際コーチ連盟日本支部(ICF)の創設者でもあります。
CTIジャパン平田さん
こちらは、CTIジャパンの平田さんが「残念なコーチング」と「コーアクティブコーチング」の2種類を実演してくださっている動画です。
コーアクティブコーチングに関する説明は下記です。
コーチングと一口に言っても、それにはいろいろな種類のものがあります。
CTIでは、自らが生み出したコーチングの体系を、その他のコーチングと区別するために、「コーアクティブ・コーチング」と名付けています。
「コーアクティブ」というのは、「協働的」という意味で、コーチングをする側(コーチ)と受ける側(クライアント)が対等なパートナーとして、クライアントが心から望む人生を生きられるよう互いに力を合わせるという、その関係に特長があります。
引用元:https://www.thecoaches.co.jp/coaching/index.html
コーチングに関する質問まとめ
ここからは、コーチングに関する質問のなかでも、特によく聞かれるものをまとめていきます。
ここで指しているのは狭義の「コーチング」でして、広義でとらえるとコーチングの中にカウンセリング要素やコンサルティング要素なども含まれる場合があるので、あくまで狭義のコーチングとの対比として見ていただければと思います。
コーチングとカウンセリングの違いとは?
一言で言うと「クライアントが目指す方向性の違い」にあります。
イメージとしては下記です。
- カウンセリング:マイナスの状態からゼロに戻す
- コーチング:プラスの状態からさらにプラスを目指す

カウンセリングはお悩み相談って感じがするよね!
カウンセリングは今の課題に焦点をあてるので、クライアントの過去を深堀っていくアプローチが多くなります。
一方、コーチングは未来に向けた行動変容に焦点をあてるので、クライアントの現在や未来にアプローチすることが多いです。
ただし、コーチングのなかでカウンセリング的なアプローチになることもあるので、「コーチング中は過去を深堀ってはダメ」というものではありません。
コーチングとコンサルティングの違いとは?
一言で言うと「クライアントが求める関わり方の違い」にあります。
イメージとしては下記です。
- コンサルティング:クライアントに答えを教える
- コーチング:クライアント自身が答えを見つけるのを促す

答えを教えてくれるコンサルのほうが手っ取り早い気がするけど、コーチングは何がイイの?
「自分で掴んだ答えなら一生忘れない」という言葉があるのですが、これに凝縮されています。
そもそもコーチングで扱うテーマというのは、自身のこれからのキャリアに関するものや人間関係や習慣化など決まった答えのないものが多いんですね。
決まった答えがないからこそ、自身の感情に向き合い、自ら決める意思決定に価値があります。
あくまで主役はクライアントなので、クライアント自身が人生を加速させていくためには、「自分で掴む」というアプローチが一番パワフルなんです。
コーチングとティーチングの違いとは?
一言で言うと「クライアントが求める関わり方の違い」にあります。
イメージとしては下記です。
- ティーチング:クライアントに答えを教える
- コーチング:クライアント自身が答えを見つけるのを促す

あれ?これコンサルティングと一緒じゃない?コンサルティングとティーチングの違いは何なの?
コンサルティングとティーチングの違いは「決まった答えがあるか」です。
例えば、ビジネスマナーには決まった答えがありますよね?
こういったものはティーチングが最適です。
それでは、事業開発などはどうでしょうか?
こちらは外部環境の影響も大きく、決まった答えというのはないと思います。
そういったものは、コンサルティングが最適なんですね。

コーチングはあくまで手段の1つだと思っているので、クライアントにとって必要であればカウンセリングやティーチングやコンサルティングの領域も扱っていきたいと思っています。
コーチングの説明に困ったら…
ここまで読み進めていただいた方は、ある程度コーチングへの理解が深まったと思います。

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